キャッチャーはしゃがみこんだ姿勢でいる時間が多く、ヒザや腰を痛めやすいポジションです。体のアフターケアも大事ですが、リラックスした姿勢で構えることが予防策となります。
無駄な力を使っていると疲労が早まり、姿勢が崩れ、最後には故障につながるという悪循環に陥ってしまいます。是非リラックスした構えを心がけてください。
リラックスした捕球姿勢は、ケガの予防だけでなく捕球もしやすくなります。
写真5はリラックスした状態で、写真6は緊張している状態です。
写真5では手首までリラックスしているのでミットが下がっています。
これに対して、写真6はいつでも捕球できますとばかりにミットを開いてピッチャーの方へ向けています。内外野のグラブに比べキャッチャーミットは重く皮が硬いので、支えているだけでも疲れてしまいます。
このような状態でピッチャーの投球を待っていると疲労の蓄積が早まってしまいます。
次に、ミットが下がった状態から捕球する時のミットの動きですが、私(木俣)の場合は写真7のようにミットだけを起こしてキャッチングしようとするのではなく、腕全体でミットを立て、投手のタイミングに合わせて、少し前へ出しながら捕球します。
捕球するときにボールを握る手の位置はどこでもよいというわけではありません。たとえば、写真8のように後ろに隠していると、すばやく送球しようとするときに遅くなってしまいます。
走者のいないときは良いですが、試合全体で5割程度は塁にランナーがいるので、いつでもすぐに投げられる位置に握り手を置いていかなければなりません。
また、握り手を前に出していても写真9のように下がっているとファールチップのときにボールが手に当たり、ひどいときには骨折する場合もあります。
安全のためにも、握り手はミットの横に置きましょう。ミットの横にあればミットはボールの高さに合わせて動かすため、ほとんどチップしたボールが飛んでくることはありません。さらに、写真10のように指を前に向けていると、ボールが当たったときには大ケガになります。
写真11のように握り手を軽く握り、小指もしくは手の甲をピッチャー方向へ向けてミットの横においているのがもっとも安全です。