捕球→ステップという流れの次はいよいよ送球です。捕球では正面で打球を捕らえましょう、ステップでは余裕があれば2ステップ、3ステップをしましょうと言いましたが、今までとはちょっと矛盾した話をします。
まずは捕球してからすばやくボールの縫い目を捜して握り替えをする時間的余裕がない場合がありますね。よく考えてみれば、実戦でボールの握りを必ず毎回確 かめ変えることができるのはピッチャー以外いません。ステップどころか握り替えもままならない時は、5本指のいわゆる「ババ握り」でもコントロールよく投 げられなければならないのが内野手です。ただしこれで強い送球、正確なコントロールは無理です。
もうひとつは守備位置、捕球ポイント、送球する場所、状況(ランナーの有無・アウトカウントなど)によって、送球モーションそのものを変える必要があるということです。
送球の基本から説明していきましょう。(写真19)
投げる形の基本は、やはりピッチャーの投球とまったく同様で(Web野球教室「鈴木孝政の快速球野球教室」第4回 4.腕の振り方 下記参照)ひじを肩の ラインより上げることと、ヒジは直角にして頭の後ろからまっすぐ手を伸ばし、顔の前で球を離すぐらいの感覚で投げることです。投げる際には目標に向いた左 腕と、ボールを持った右腕を入れ替えてやる感じで、グラブを持った左腕は胸の前でたたむと右腕がしっかりと振れます。リリースポイントでヒジから先で物を たたくように右手を使うとスナップが使えます。イメージとしては、「いけー!」といって指をそのまま残します。
(1)オーバースロー(写真20)
一番力強い投球ができるフォームです。
ショートの深い位置から一塁送球など遠方から投げる場合に適しています。
(2)サイドスロー(スリークォーター) (写真21)
内野手が一番使うケースの多い投球です。
ステップを組み合わせ、スナップを効かせれば内野送球は可能です。
(3)アンダースロー(写真22)
低い位置でゴロを捕球した場合に使う投球です。近距離での送球向きです。
(4)トス(写真23)
コントロール重視の送球です。ベースカバーとタイミングをあわせて数メートルの距離に投げる投球です。
簡単に見えますが意外とスナップを効かせた投げ方は難しいですよ。
前回キャッチボールは守備の基本中の基本という説明をしましたが、
もちろん投球のチェックもキャッチボールで確認しましょう。
チェックポイントは以下の通りです。
- ・ヒジが肩のラインより上がっているか。
- ・ヒジは直角か。
- ・球は頭の後ろか。
- ・腕はまっすぐ振れているか。
これらは自分ではなかなか確認できませんので、鏡をみてシャドーピッチングをするか、誰かに診てもらいましょう。さらに家でできる練習を紹介しましょう。 タオル投げは正しく大きく腕を振らないとまっすぐにタオルをおろすことはできません。パートナーにグラブを下向きに構えてもらって、そこにタオルを振り下 ろす練習を繰り返してみてください。