先回までで捕球→ステップ→送球を説明してまいりましたが、これらをワンセットとしてとらえ、流れるような一連の動きをしてこそ正確ですばやい内野手の守備となります。それでは、さまざまな守備範囲の想定の中から各ケース別に解説していきましょう。
(1)打球に対してまっすぐにダッシュする
(2)左足の前で捕って握り替えたら両手を中心線に持ってくる捕球が片手か両手かはその都度判断する
(3)左足が着地すると同時に顔の前でボールを見せて投げる
(4)投げ終わったら右足を出して腰をきる
(1)捕球する前に右足であわせて、左足をふむと同時に捕球する
(2)グラブをすばやく引き上げながらボールを握りかえる
(3)握りかえる時に少し飛ぶ感じで二塁に体をむける
(4)送球はスナップスローで投げる
私の代名詞になっているバックトスですが、元々はプロとして魅せるプレーとして習得したのではなく、人工芝のグランドがない当時イレギュラーバウンドのゴロが多々発生したため捕球までを確実に正面で捕ることを優先するために開発しました。正面で捕った球をその体勢を入れ替えずにスナップだけで送球する、当時トリッキーなプレーとしか評価されなかったのですが、送球までの時間短縮を実現するために不自然な投法を毎日毎日練習しました。
(1)バックトスは普通の時のステップとは違い、左足であわせて右足で捕球する
(2)捕球の際の重心は、捕る前は左足、捕球の時は中心、投げる時は右足
(3)投球は二塁をしっかり見据えて、ひじとスナップを使う
プロ野球の球場ではナゴヤドームをはじめ人工芝の球場が増えてきました。この人工芝の功罪はいろいろありますが、守備に関して言えば
(1)イレギュラーバウンドがほとんど発生しない
(2)打球が早くランするため一塁送球はゴロでもいい
(3)右足の踏ん張りが効くため1ステップ、またはジャンピングスローでも間に合う
などのメリットがあります。
逆にヒザへの負担は大きくなり、守備の疲労は増えたとも言われます。