リリースポイントはできる限り前で、バッターから見て球離れが遅ければ遅いほどタイミングがとりづらく打ちにくくなります。よく腕をムチや若竹のようにしならせるとか言いますが、最後にスナップを利かせて投げた球は体重が乗り、回転のいい生きた球が生まれるわけです。
もうひとつリリースポイントで大事なことは、投げるときの正対の幅の中に腕を収めるということです。
写真では、バッターに対して肩をまわして正面で胸を出したその向き合った肩幅の中に投げる腕をもっていく、振り下ろすという感覚です。リリースポイントは肩幅の中にあると思ってもらっても結構です。
自分ではなかなか気がつかないポイントでもありますので、誰かに見てもらってください。
プロのピッチャーでもリリースポイントが間違っているいわゆる「抜けボール」が10球中5球はあります。それがすべて打たれるわけではありませんが、自分のリリースポイントがどこなのかを理解しておいたほうがコントロールのいい強い速い球が投げられます。
「前」でボールを離している感覚をつけるための練習を紹介しましょう。
【練習】足を使わないノンステップのキャッチボールを20球
(リリースポイントがわかる)
リリースポイント、指先から放たれたボールは、当然のことですが元にもどすことはできません。しかし、ピッチャーが自滅する原因は、スコアリングポジションにランナーがいるのに打たれたらどうしようとか、フォアボールを出してランナーをためたらどうしようとか、悪い結果だけを投げる前に考えてしまうことです。
ピッチャーは、サインを出したキャッチャーを信頼して、いさぎよく、思いきりよく、最後まで投げきることが大切です。打たれたら…、フォアボールをだしたら…、点が入ったら…、負けたら…、こんなことを考えずに腕を振ることこそがフォロースルーをまとめる一番のポイントです。
野手の守備も同様ですね、暴投したらどうしようとかを先に考えずに(考えているヒマはありませんが)、まずアウトにするんだというイメージを大切にして腕を振ることです。
もうひとつ、ピッチャーのフォロースルーは最終的に楽に収めること、抜いてやることが大切です。身体全体でボールをリリースした後は、ヒジと肩の負担をなくすために自然に抜いてやる、収めるところに自然に収めてあげることです。100%の力を出し切ったヒジや肩はすみやかに力を抜いてやらないとどこかに負担が掛かりケガの原因となります。
ピッチャーは肉体的はもちろん精神的にもストレスをためないほうがベターです。ブルペンで100球投げてもストレスはたまりませんが、指導者の方がその場その場の場当たり的な指導や叱咤激励(?)がストレスとなる場合がありますね。
このフォロースルーのフィニッシュの形について簡単に説明しましょう。
腕を振り切ったときには右足(右ピッチャーの場合)が上がりますが、若いときは正面から見ると自然に肩よりも上の位置に上がります。そして腰を元に戻したときは、最後は突っ立つように仁王立ちになります。これは立って壁ができることにより肉体的に負担、ストレスをなくすためのリアクションです。