バントは、確実に走者を進めたいときに用いる攻撃の作戦です。ゲーム中でも一番監督コーチからサインが出るのがバントではないでしょうか。
普通、バッターは打率3割を打てば良いバッターといわれますが、バントの場合、セーフティーバント以外送りバント、スクイズバントは100%成功しなければなりません。
だから、試合の勝敗にかかわる重要な場面でのサインプレーとして、自分を犠牲にして、走者を得点圏に確実に送るための大切な攻撃方法なのです。
また、相手守備陣のスキをうまくつけば、バントヒットもあり得ます。
ふだんから十分練習して、確実にバントを決められるようにしましょう。
バントのやり方は千差万別です。それぞれの選手が練習を重ねて、一番打球を殺しやすくなおかつ落とし所のコントロールがしやすいスタンス、構え、握りを会得しました。
これから紹介するのは、私が一番バントの目的を達成しやすい方法です。
バットの持ち方で大切なのは、左打者なら左手(右打者なら右手)です。
写真1.のように親指と人指し指でUの字をつくり、親指をバットの上、人指し指をバットの下に添えます。このとき大事なのは、バットと指の間にあえて少しすき間をつくることです。このすき間がポイントとなります。
これは、ちょうど自動車のバンパーのような役割で打球のインパクトの衝撃を吸収して打球を殺すためです。先程冒頭に話した通りバントのやり方は選手によっ て違いますこの衝撃を和らげるためにバットをインパクトの瞬間引いたり、動かしたりする選手を時々見かけますが、私のようにバットと指の間に最初からすき 間をつくればそんな必要はまったくありませんし、打球のコントロールも正確になります。
左手の他の3本の指は、投手に対し剥き出しにしてはいけません。
なぜなら、ボールはこの指に一番近いところに飛んでくる(バットを近づける)わけですから、万が一の場合指に当たる危険を避けるため、3本の指は折り曲げてバットの後ろに添えておきましょう。(写真2)
プッシュ・バントなど打球の勢いを殺さないで強くころがす場合は、バットの芯に当てるか普通に握ってそのままバントしても良いでしょう。(写真3)