ステップすることによって内野手はいろいろな方向に送球できるということを説明しましたが、具体的な例をあげてみましょう。原則はピッチャーの送球とまっ たく一緒です。このWeb野球教室で前回投手編を担当された鈴木孝政さんの「快速球野球教室」第3回目「下半身の起動」(下記クリック)にあるように、 ピッチャーの軸足(右投手)はマウンドプレートと平行に固定し左足はプレートに対し垂直にまっすぐおろしています。つまり、送球方向に対しては右足は垂 直、左足はまっすぐということです。
(1)二塁手からファーストへ (写真12)
すでに上記ステップで説明したとおりです。
(2)二塁手からセカンドへ (写真13)
二塁手がセカンドへ送球する場合、一旦本塁に背中を向ける形でステップして送球するのですが、右足と左足の方向は上記(1)を180度回転させたものとまったくかわりません。
(3)二塁手からバックホーム (写真14)
内野手から本塁への送球も同様です。正面から見ると投手の下半身の動きと両足の歩幅が違うだけで、左足は本塁に向いているはずです。
(4)投手からセカンド
(写真16)
このケースは内野手というよりピッチャーの守備でよくある場合ですね。ランナー一塁でピッチャーゴロゲッツーを狙う場合ですが、上記(2)を180度回転させた方向とまったく一緒です。
練習で必ず実施するのがキャッチボールですが、皆さんはキャッチボールの練習をどのようにとらえていますか。本格的な練習前の肩慣らし程度、ウォーミングアップとしてしか考えていませんか。たぶんコントロールや腕の振りなどを意識して投げていると思いますが、ぜひキャッチボールの時から1ステップ、2ステップ、3ステップを実践してみてください。
写真(18)はキャッチボールで腕を伸ばしてグラブにボールを当てて右手でキャッチする練習をしています。3ステップの練習の場合は、40m程度離れた距離のキャッチボールが有効でしょう。この距離は内野手、外野手問わず、実戦で使うことが多い距離だからです。もちろん、次回の送球にもキャッチボールの重要性がでてきますが、守備の基本中の基本として、正しい形で投げて、正しい形で捕ることをいつも心がけてください。まず、毎日欠かさず気を抜かずにやりましょう。