インサイドキックは蹴り足の内側の面、つまりインサイドの平らな面でボールをとらえることからインサイドキックといわれます。
ボールをとらえる足の位置は、土踏まずの上からくるぶしの間にある広く平らな面です。いわば板のような平らな面で丸いボールをとらえるために、それが目標 に対して垂直に振り出されればまっすぐ正確に目標に向かうわけです。他のキック、例えばインステップのように面ではなく丸い甲でボールをとらえると、丸い ボールと丸い甲との接点は面ではなく点しかないため、正確にボールをとらえにくくなりますね。
上の写真は、蹴り足と軸足の動きだけをとらえたものです。
注目してほしいのは、(1)のボールを蹴るインパクトの瞬間の蹴り足の足首です。
インパクトの瞬間足にかかる負担は予想以上に大きいため、足首をしっかり固定しておかないとインサイド面の角度が変わり、コントロールが乱れる原因となります。つま先を上げるようにして足首を曲げると、しっかり固定することができます。
次に軸足は目標に対しまっすぐつま先を向けます。そして蹴り足は目標に対し垂直な面をキープします。ということは、蹴り足は軸足に対して90度に開きま す。正確なボールコントロールのためには、軸足のつま先と蹴り足のインサイド面をまっすぐ目標に向ける必要があるからです。90度に開かずにキックすれ ば、ボールに回転がつき、それたり、受けにくいパスになってしまいます。
軸足はボールの真横近くに置くのが基本です。軸足をボールから離してしまうと、キック動作でバランスが崩れやすくなるために、強く正確なキックが難しくなります。
ただし、実戦で瞬間的にパスやシュートを出す場合、必ずしもボールのすぐ横に軸足が置けないケースも多いですね。そんなときには、軸足のヒザの曲げを深く し上体を傾けて、さらに両腕を左右に上げてバランスをとりながらキックしないと、正確にはコントロールできません。ヒザの曲げを深くして、バランスを保ち ながら動作するためには、軸足の強い筋肉が必要となります。
実戦では激しい動き、速い動きの中でキックが行われるため、軸足の安定が不十分になることが多いです。この軸足、つまり土台の安定がなければキックにブレ が生じコントロールが不十分になります。どのような動きのなかでもキックの際には、杭を打ち込むようなつもりでガシッと軸足をグランドに踏み込み、安定し た土台をつくってからキックするようにしたいですね。
そのためには日頃の練習においても、全力で走り急ストップして、インサイドでパスやシュートを放つことを心がけましょう。
下の図は、インパクトの瞬間ボールにインサイド面があたる高さをあらわしています。
インパクトでは、ボールの中心をインサイドの中心で蹴り抜くことが大切です。
当然ですが、つま先側やかかと側で蹴れば、強く正確なキックにはなりません。