捕球から送球までの流れの中で、投げ急ぐことによってコントロールが悪くなったり弱い送球でセーフになるのは、肩などの上半身の問題ではなくしっかりしたステップができなかった足腰の動きが原因です。
打者が打ってから一塁に到達するまで、プロ野球の選手でも約4秒かかるといわれています。つまり内野手は、打球が飛んでから4秒以内に一塁に送球すればいいのです。打者の走力にもよりますが、出来る限り2ステップ、投げ急がなくてもいい場合は3ステップ踏 んだほうが正確で力強い送球が可能となります。もちろんステツプを踏むことによってどの方向へも投げることができます。特に少年野球の場合、これから上手 くなるためには敢えて2ステップ3ステップしてから、投げる方向に投げる形をつくって送球する練習をしましょう。正しいステップ、フットワークは守備の正 確性が身につきますし、それが身につけば1ステップでもノーステップでもできるようになります。
まずは、基本的な1ステップから先回のゴロの捕球方法もあわせて解説していきます。
(1)まず前進して、グラブを低く下げます。ボールから目を離さず、低い姿勢で右手を添えて捕球します。グラブの先が下向きの場合は上側に、グラブの先が上向きの場合は下側に添えます。
(2)捕球した時にグラブでボールを強く握ってしまうとボールがつかめないので、ボールを前から懐(ふところ)にやわらかく包み込む感じです。
(3)球後は右手に握り替えて、体の中心線にグラブとボールを持ってきます。その際右手がすばやくボールの縫い目を探せるように握り替えの練習を常日頃徹底してください。
(4)捕球と同時に、右足を左足の方向に軽く1ステップします。
(5)その際右足は、送球したい方向に対し垂直に。
(6)左足を一塁方向(投げる方向)に向けて踏み出します。同時に右手をヒジから後方に引き、ボールは耳の後ろに。
(7)左足と手のラインをあわせるように、腰をきって手を振ります。投げる際には目標に向いた左腕とボールを持った右腕を入れ替えてやる感じです。その際にリリースポイントでヒジから先で物をたたくように右手を使うとスナップが使えます。
ここでのポイントは、捕球と同時に送球方向に右足をステップすることです。
文字通り上記の1ステップにステップが1回加わるだけですが、握り替えの時間や方向をあわせる余裕があるため、確実性が格段にアップします。
上記1ステップの(4)~(6)まではまったく変わりません。
(4)右足を写真(10)のように左足の前に出して足を交差します。その場合右足は必ず前に出してください。
(5)右足は着地した際に送球したい方向に対し垂直におろします。
(6)以下は上記と同じです。
2ステップの動画をみてください。捕球した位置から送球するポイントまでに2m程度送球方向に移動していることがわかりますね。写真(10)の足の動きにも注目してください。
2ステップからさらに1回ステップを加えると、確実性のさらなるアップと同時に力強い送球が生まれるため、投げ急がなくてもいい場合は3ステップを心がけ ましょう。2ステップから1ステップ加えれば、自然に3ステップになりますので、その動きがスムーズに移行できるようにステップの練習をしましょう。