写真29は、右バッターでアウトコースのボールがきた場合の盗塁に対するステップです。
右バッターボックスにバッターがいますので、ステップを行うためにバッターはまったく邪魔になっていません。したがって、アウトコースによりながら自然に立ち上がって投げることができます。
写真30は、左バッターのアウトコースの場合ですが、この場合もバッターは邪魔になりませんが、往々にして頭から突っ込みやすく、写真30の 右側のように体勢が後傾した投げ方になっているキャッチャーを多く見かけます。頭から突っ込むとどうしても上半身と下半身のバランスが悪くなってしまい、 このように体勢になってしまいます。はじめに説明しましたように左へ寄る場合は左ヒザに乗り込むように身体全体で移動します。 そうすることにより、立ち上がっても上半身が安定し、投球モーションもスムースに行えるようになります。
写真31は左打者のインコースの場合です。インコースの場合は左バッターであっても右バッターであっても、ボールを捕球する方向へ移動する捕球後のステップやスローイングのときにバッターが邪魔になります。
バッターを避けるために大きく移動することは投球に時間がかかりますのでよくありません。なるべく短時間に投げなければ盗塁を成功させてしまうからです。
そのためには捕球後、写真31の赤枠に囲まれた姿勢にすばやく戻ることが、次の動作にスムースに移るために大切です。
いろいろなスローイングのステップを見てきましたが、ステップするためのコツを紹介しましょう。
写真32は福田氏がいつも意識している体重をのせるポイントです。
このポイントがずれているとふらついたり、ボールのコントロールが甘くなったり、勢いのあるボールが投げられなくなります。
しっかりと土台となる脚に乗り込んでステップを踏まなければ良いスローイングはできません。
まして、キャッチャーは座った状態から立ち上がって投げるため、この体重をのせるポイントが野手や投手よりも重要になります。
写真の中で福田氏が右手を当てているところ、つまり股関節の付け根に体重がしっかりと乗った感じを大切にします。この写真の場合は右脚に乗っていますね。左脚に乗る場合は左股関節の付け根に体重を乗せてください。
この位置にしっかりと乗ってステップを右脚から左脚へ踏み込むことによってステップが確実になり、コントロール良く、スピードのあるボールが投げられます。
写真28では、そのための練習法も説明しています。上の写真のようにヒザを伸ばした状態で右股関節に体重を乗せていきます。体重をしっかりと乗せた状態で、上げてさらに体重を右股関節に乗せていきます。
さらに、徐々に右ヒザを曲げながらしゃがみ込んでいきます。体重がしっかりと右股関節に乗っていればふらつかずにしゃがめるはずです。最終的には写真33のように構えでリラックスした状態になります。
このような練習を繰り返すことで、股関節にしっかりとのるコツがつかめます。