走者のホーム突入に対して、キャッチャーは単にアウトを取りにいくだけでなく、なにがなんでもホームを踏ませないという気構えで相手をブロックしなければなりません。
写真34は立ったままのブロックです。まず左足をホームベースの3塁側の縁付近に持っていき、相手が簡単にホームを踏めないようにします。
続いて、捕球後に右足も左足に添えてさらにホームを踏みにくくしながら、ミットを身体の中央において相手に向かってヒザと肘で防御しながら写真34の右のようなブロック姿勢をとります。
右手はボールをしっかりともって衝突されてもボールを落とさないようにしなければなりません。
写真35はヒザをついてより強く衝突されても跳ね返すためのブロック姿勢です。
相手が相当の勢いで突っ込んでくる場合にはこのようにヒザをついて背中でブロックし、相手を止めると同時にホームとボールを守るようにします。
バントの中でも勢いのないバントの場合、投手や内野手よりもキャッチャーが処理しなければならないものが多い。座っていたキャッチャーは、立っているピッチャーや野手よりも指導が遅れるため、よりすばやく拾い上げて投げる技術が要求されます。
バントされたボールはキャッチャーから逃げる方向へと転がるため、ボールに追いついたら写真36のようにミットをボールの進行を遮るように出し、ボールを投げる手でボールを追いかけるようにして拾い上げます。
拾い上げのときにはミットと投げる手で挟みこんで、ボールを逃がさないように注意しなければなりません。ボールをしっかりと掴むまではボールから目を離さずに、ボールを掴んだらすばやく投球モーションに入ります。
ファウルチップ、特に高く上がったファウルチップは、キャッチャーの頭上を越えてバックネットの方向へ飛ぶことが多いです。しかし、このボールには回転がかかっていますので、バックネット方向へ上がって、落ちてくる時には逆に戻ってきます。
こ のボールを捕球するためには、まずマスクをはずしながら後ろ向きになって立ち上がります。つまりピッチャーに背を向けるわけです。そして、ボールの進行方 向に向かって真後ろに入ります。ボールに近づきますが、真下まで行ってしまったら行き過ぎです。なぜならボールは必ず戻ってきますので、写真37の左のように目線は斜め上の状態になるようにボールとの間合いを取ります。また、ミットは目線の下にくるようにします。ミットと目線の距離が離れると捕球しにくくなるからです。
ボールが落下し始めたら、どの程度戻るのかをすばやく判断し、前に出ながら捕球するのがベストです。ボールが戻るのに合わせてバックすると捕球が難しくなります。
はじめに追いつきすぎないようにしなければなりません。
このことを頭において練習する必要があります。
キャッチャーがピッチャーへおくるサインで決まってくる球種は、相手チームのバッターがもっとも知りたいことの1つです。相手の走者やベンチからなるべく見えないようにサインを送らなければなりません。
サインを送るときは座った姿勢で腰を前に出して、ヒザをしっかりと曲げて脚を折り畳んだ状態にしておきます。脚が折り畳まれることで壁を作り、左右の脚の角度は45度程度開きます。脚を開き過ぎると左右から見えやすくなってしまうからです。
サインを出す手は写真38の左のように股に密着させて両脚で作った壁の高さから出ないようにサインを出します。写真38の右のように手を下げ過ぎると下から見えやすくなりますので気をつけましょう。